06. 鼓動は思うより正直で















俺が氷帝学園中等部テニス部の
部長になってから、だいぶ時間が経った。
俺も跡部さんとは違うが、
俺らしいテニス部を作っていけているだろう。
・・・俺が前向きに頑張ってこれたのは
1つ年下のの存在が大きいと思う。
小さなことにも気が付く良いマネージャーだ。
ただそれだけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。


「日吉先輩っ!」

その声で俺は現実に引き戻された。
今は部活中だった。
部活中にこんなことを考えていたなんて、
集中力が足りない証拠だ。
俺もまだまだだな。

声を発したは嬉しそうに走ってくる。
幼い時の鳳のようだ。
・・・いきなり呼ばれたから心臓が驚いている。


「どうした?」

走ってくるということはよっぽどのこと
なのかと思って待ってると、
途中でDVDを一時停止したように
止まった

「・・・話すべきことを走っている間に忘れました(泣」

そう言ってがすまなそうな顔をした時、
また心臓が主張を始める。


!部費部費っ!!」

の後ろから鳳がフォローを入れる。
あ!と嬉しそうな顔をする
そして2人で会話を始めるものだから、
馬鹿2人を置いて俺は部活に戻ろうとする。


「日吉先輩ー!
部費のことですってば〜(汗」

この雰囲気が心地よかった。
これでいい。


次の日の移動教室で1年の階に行った時、
が男と楽しそうに話していた。
俺に気付いた
相変わらずの笑顔で俺に挨拶してきた。

「ああ。」

そう言ったはずだ。
なぜか胸が痛かったが、
気に掛けるまでもないだろう。


そんな日に限って、
が男に告白されているところを見てしまった。
・・・今日はタイミングが悪いらしい。
そう思ってその場を離れようとしたが、
体が動いてくれない。

結局、最後まで聞いてしまった。
男からの告白を断った
そんな場面に立ち会ってしまったから、
また変に痛みだした胸・・・。



「あ・・・日吉先輩。」

やり過ごそうと思ったが、
運悪く見つかってしまった。
どうして俺がここにいるんだろうと
いう表情と、
気まずい場面を見られてしまったという
表情が混ざったような顔をしている


「悪い。」

そう言って俺はその場を後にした。



その日の部活動中に俺はの顔を見れずにいた。
それはも同様だった。
・・・気まずい雰囲気に気を利かせた鳳が
俺のところにやってきて言った。


「素直になったら?」

「何がだ?」

笑顔で話す鳳を睨みつける。

「分かっているくせに^^」

そんなことを言われたから、
無性に腹が立った。
鳳は部室だよ、とひとこと言い残して
練習に戻っていく。
・・・余計なことを。


歩いてが作業しているであろう部室に向かう。
これからのことを予想しているかのように
鼓動がうるさい。
・・・最低限、部室まで持て。
俺の心臓。





☆あとがき☆

お題4作目でした!

これはお題のタイトルを見て、
日吉君目線で行くしかないと思いました(笑

ここでもショタな明星の趣味がチラリ(汗

温かく見守ってほしいです(涙


そしてこんな駄文をここまで
読んでくださってありがとうございました!!!!



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